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肥満・ダイエットに使うおすすめの漢方薬
ダイエットには運動や食事療法が効果的ですが、漢方薬も有効な手段の一つです。
体に合った漢方薬は代謝を促進し自然な形で体重を減らすことが可能です。また、食欲を抑えたり便秘を解消したりする副次的な効果も期待できます。
ここでは漢方を活用したダイエット方法について食生活を含めて簡単に解説したいと思います。
漢方では肥満は痰湿がたまっている状態
漢方では、肥満は痰湿(たんしつ)がたまっている状態と考えます。
痰湿とは、体内にたまった悪さをする水のことで、むくみの原因となるほか、皮下脂肪やコレステロール・中性脂肪などの脂分も痰湿の一つと考えます。
いわゆる水太り(むくみ)や脂肪太りともに痰湿によるものといえます。
痰湿がたまる主な原因とおすすめ漢方薬
今、肥満は痰湿がたまっている状態と説明しましたが、この痰湿がたまる原因は次の様なものがあります。
食毒(カロリー摂取が多い)
食毒は、一貫堂医学という漢方の流派の考え方で、食べすぎによる慢性的な食中毒を指します。
美食家に多い傾向にあります。
食毒の人は、若い時に虫垂炎、壮年期以降は、動脈硬化や糖尿病、腎疾患などが起こりやすいとされます。
現代のような飽食、欧米食による高たんぱく高カロリーの食事であふれ、運動不足も重なり、この食毒に侵されている人が増えています。
いわゆるお腹の周りに脂肪がついている固太りタイプに該当します。
食毒+気滞(食べすぎ+ストレス)
ストレスは漢方では気滞(気の流れが滞ること)の大きな原因となります。
気滞になると胃腸の働きが乱れてしまうことがあります。
現在のようなストレス社会では、仕事や生活上のストレスから気滞となり食べすぎて結果的に上で説明する食毒の状態となるケースが増えています。
脾気虚弱(代謝不良)
上記2つは食べすぎによるものでしたが、逆にあまり食べないのに体重がなかなか落ちにくい方がいらっしゃいます。
主な要因に脾(ひ)の働きが弱い状態があります。これを脾気虚弱や脾虚などといいます。
五臓の一つである脾は、現代医学での胃腸機能に加え体内の水分代謝にも関係します。
脾気虚弱になると、水分代謝が弱り余計な水(痰湿)がたまりやすくなるため肥満の原因となります。
また、脾気虚弱の方は、汗をコントロールする気が不足しやすいので、少し動いただけで汗をかきやすいことが多いです。
脾気虚弱の原因は、生まれつきによるもののや冷たいもの、油こいものの食べすぎによるものが多いです。
おすすめの漢方薬:
防己黄耆湯、六君子湯など
血瘀(血の巡りが悪い)
血瘀(けつお)は血の巡りが悪い状態のことです。
血瘀になると水の流れも悪くなり痰湿が発生して(この逆もあり)、肥満の原因となることがあります。
血瘀の症状は舌の裏の静脈が膨らんだり、生理痛がひどかったりします。
また更年期症状によって気や血の巡りが悪くなるケースもあります。
おすすめの漢方薬(生薬):
田七人参、桂枝茯苓丸など
食事や運動などの生活習慣の見直しも効果的
ダイエットに成功している方は生活習慣も見直していることが多いです。
食事内容
食毒傾向の方は、間食が多い方は間食を減らしたり、肉類・油ものが多い方は野菜や海藻など食べるなどすると良いでしょう。
胃腸機能の弱い脾虚の方は、冷たいものや油こいものなるべく控えたり、乳酸菌など善玉菌を継続的に摂取して腸内環境を整えてあげると良いでしょう。
また便秘も肥満の原因となります。毎日トイレに行き排便習慣をつけると良いでしょう。
朝食を抜かない
朝食を抜くと逆に太りやすくなるという報告があります。1日3回食事をとることを意識しましょう。
野菜を先に食べる
食事の順番を変えるだけで、普通に食べた人と比較し半年で1.5㎏減量した報告があります。
野菜(食物繊維)→肉や魚など(タンパク質)の順に食べ、野菜、肉・魚を食べ始めてから5分たったら炭水化物を摂るというものです。
運動
運動によって基礎代謝を上げることもダイエットに効果的です。
自分が取り組みやすいものであればどのような方法でも良いです。
近年、減量(体重や脂肪の減少)の効果に対する運動種目・強度・時間の影響について、多くの研究成果が得られています。結論からいいますと、個人にとってより多くのエネルギー消費量を確保できる運動であれば、どのような方法でも良いと考えられます。その点、レジスタンス運動よりも有酸素性運動を中心に行った方がエネルギー消費量を確保するには良いでしょう。ただし有酸素性運動に該当するものであれば、ウォーキング・自転車エルゴメータ・ジョギング・水泳など、いずれの種目でも効果に大きな差はありません。
厚生労働省 e-ヘルスネットより
なお、まとめて運動しなくても、時間を分割して運動しても同じ成果が得られるようです。
20分以上運動しないと脂肪が燃焼しないというようなことを耳にする方がいると思いますが、これまでの研究成果から、1日に30分の運動を1回行っても10分の運動を3回行っても、両者の減量効果に差のないことが認められています。つまり同じ運動であれば、その効果は総運動時間に対応するといえます。
厚生労働省 e-ヘルスネットより
ただし体を痛めている方は無理しないようにしましょう。
以上、ダイエットに使うおすすめの漢方薬の紹介でした。
もし漢方薬選びに迷ったらお気軽にご相談ください。
参考文献:
いかに弁証論治するか―「疾患別」漢方エキス製剤の運用(東洋学術出版社)
漢方一貫堂医学(医道の日本社)