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肥満・ダイエットに使う漢方②:防已黄耆湯
ダイエットの漢方薬として防風通聖散の次によく目にするのが防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)です。
簡単に解説していきます。
水太りタイプにおすすめ
防已黄耆湯は水太りタイプの人に用いられます。
水太りとは、体内に余計な水がたまりやすく、筋肉量は少なくブヨブヨしているような状態です。
水は重く、体の下の方に移動しやすいため、下半身のむくみが気になったりや体が重たく感じるようになります。
舌はぼってり大きくてやや白っぽく、白い舌苔が付いていることが多いです。
漢方的解説:脾と肺の機能を高める
水太りは、脾(胃腸機能)と肺が弱っている状態が背景にあります。
漢方では、水は脾によって飲食物から吸収された後、肺まで送られ、肺から全身に輸送されると考えます。
飲食物の水分 → 脾 → 肺 → 全身へ輸送
このように脾・肺は水の動き(代謝)に深い関わりがあるため、脾・肺の機能が弱っていると余計な水がたまりやすくなります。
ちなみに脾・肺の機能が弱いことを脾気虚・肺気虚と言います。
- 食事の量はそれほど多くない
- 軟便・下痢になりやすい、または便秘傾向
- 疲れやすい
- 汗をかきやすい
- かぜをひきやすい
- むくみ、冷え(とくに下半身)
- 体が重だるい
- ひざ痛、ひざに水がたまる
防已黄耆湯の適応症
防已黄耆湯は、脾・肺の気を補いながら、同時に余計な水の代謝を促進する働きがあります
水太りだけでなく、ひざの痛みなどの余計な水が原因の関節痛や多汗症にも使われます。
あるメーカーの医療用漢方の添付文書はこのようになっています。
体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの次の諸症:
ハクスイトウ(大杉製薬)効能・効果より
肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)
使用上の注意
甘草を長期間・大量に摂ると、偽アルドステロン症と呼ばれる症状が出ることがあります。
防已黄耆湯は甘草を含むので、甘草を含む他の漢方薬や甘草を含む食べ物と併用する時は注意しましょう。
偽アルドステロン症は、「手足のだるさ」、「しびれ」、「つっぱり感」、「こわばり」、「力が抜ける感じ」、「こむら返り」、「筋肉痛」などの症状が見られます。このような症状が出たら中止してください。
これ以外にも気になる症状があれば医師や薬剤師に相談しましょう。
生活で心掛けたいこと
とくに脾の機能が弱った脾気虚が根底にあるので、脾をいたわる生活を心がけます。五行理論により脾が正常であれば肺も正常になりやすいからです。
脾は、脂のような粘っこいものや冷たいもの、過剰な水分が苦手です。
たとえば、アイス・スイーツ、揚げ物をよく食べる方、ペットボトルの緑茶やジュースを癖ですぐ口にしてしまう方は気を付けましょう。
- 甘いもの
- 冷たいもの
- 脂こいもの
- 過剰な水分
運動はできれば良いですが、ひざ痛がある方は無理な運動は避け、食事と漢方薬で体のバランスを整えると良いと思います。
おすすめの防已黄耆湯
エキス剤(粉薬)
市販の漢方薬は医療用の漢方薬(=病院で処方してもらう漢方薬)よりも、成分量が少なく作られていることが多いですが、こちらの漢方薬は医療用医薬品と同じ成分量・内容で作られているためおすすめです。

煎じ薬
本来の漢方薬の形、煎じ薬です。
参照:「煎じ薬の作り方」

煎じるのが大変な方は煎じ代行サービス(14日分以上から利用可)もございます。
参照:「煎じ代行サービスのご紹介」