肥満に使う漢方①:防風通聖散

防風通聖散は「やせ薬」としてテレビCM等でよく目にする漢方です。

ここでは防風通聖散について注意点を含めて簡単にまとめてみます。

防風通聖散はもともとかぜ薬

今ではやせ薬で有名ですが、もともと防風通聖散は、中医学では解表攻裏剤というものに分類されます。

表証を解して、裏熱を清する漢方薬です。

具体的には、悪寒や発熱などの表証に加えて、目の充血・口の渇き・便秘や尿が濃くなるといった裏熱の症状に使います。

かぜをひいて体に熱がこもった状態です。

臓毒証体質の人におすすめ

これを慢性症状に応用したのが一貫堂医学(漢方の流派の一つ)で、臓毒証体質の人に用いられました。

臓毒(ぞうどく)とは体の中に溜まった毒の概念です。

臓毒の原因は色々あり、その1つに食毒があります。

食毒は慢性的な食中毒の概念で、美食家に多く、粗食菜食者にはあまりありません。

つまり脂こいものや甘いものなどを必要以上に食べ過ぎて、きちんと排泄できず、悪いものが体の中に溜まっている状態です。

現代は食べ物があふれ、高カロリーの欧米食が増えているので、この食毒に当てはまる人が増えています。

臓毒証体質の人は次のような特徴があります。

臓毒証体質の主な特徴

  • 肌が色白、黄白色
  • 便秘しやすい
  • 体格は骨格がたくましく、脂肪型または筋肉型が多い
  • 内臓脂肪が多く太鼓腹
  • なり易い病気:虫垂炎、腎疾患、糖尿病、動脈硬化など

この特徴はまさに肥満、生活習慣病に当てはまります。

このことから防風通聖散は肥満に使われるようになりました。

防風通聖散の効能効果

医療用の防風通聖散の効能・効果はメーカーごとで文言が異なりますが、3パターンに絞られます。

「脂肪太り」「肥満症」「便秘」という言葉が入っています。

腹部に皮下脂肪が多く便秘がちなものの次の諸症:
高血圧の随伴症状(どうき、肩こり、のぼせ)、肥満症、むくみ、便秘

脂肪ぶとりの体質で便秘し、尿量減少するもの。
常習便秘、胃酸過多症、腎臓病、心臓衰弱、動脈硬化、高血圧、脳溢血これらに伴う肩こり。

脂肪ぶとりの体質で便秘したりあるいは胸やけ、肩こり、尿量減少などが伴うものの次の諸症
肥満症、高血圧症、常習便秘、痔疾、慢性腎炎、湿疹

市販の防風通聖散は約80種類。商品名からは分からないものが多い。

市販の防風通聖散はどれくらいあるのか調べてみると、2021年11月6日現在、一般用医薬品として発売されている防風通聖散はなんと約80種類ありました。

それだけ市場が大きい=現代のニーズにマッチしている商品なのでしょう。

ここで注意をしないといけないのは、「防風通聖散」という名前がついていないものが多いことです。(全体の約4割)

たとえば名前付いていない防風通聖散は、コッコアポ、ナイシトール、マスラック、ココスリム、生漢煎などがあります。

早くやせたいと思って複数の商品を合わせて飲むと、中身が同じで過量服用してしまったという事にもなりかねないので、薬剤師等と相談するなど購入時は注意が必要です。

注意することは?

飲み合わせの注意

防風通聖散は多くの生薬が含まれており、その中で併用に注意が必要なものがあります。

・麻黄
エフェドリン製剤やテオフィリン等、交感神経興奮作用を持つものとの併用は避ける方が良いです。

・甘草
多量に摂り続けると偽アルドステロン症が表れることがあるので、他の漢方薬や甘草を含む食品との併用には注意しなければなりません。

・滑石
滑石は鉱物で、主として含水ケイ酸アルミニウム及び二酸化ケイ素からなります。
アルミニウムは、ニューキノロン系やテトラサイクリン系などの抗菌剤の吸収を低下させることがあります。一緒に飲むときはできる限り間隔をあける方が無難です。

漢方だけで痩せるのは難しい

食生活の改善が根本的な対策になります。そのうえで、漢方薬で食毒を排出していきます。

腹8分目を心がける、軽い運動を行うなど日頃の生活習慣も見直しましょう。

また、体調が逆に悪くなった時あるいは1か月程度服用して全く変化が無ければ合っていない可能性があるため、漢方薬局や病院に相談しましょう。

飲まない方が良い人

肥満と言うだけで安易に飲むのは注意しましょう。

防風通聖散の添付文書(説明書)には次のように書かれています。

次の人は、慎重に使う必要があります。使い始める前に医師または薬剤師に告げてください。
・下痢、軟便のある人
・胃腸の虚弱な人
・食欲不振、悪心、嘔吐(おうと)のある人
・病後の衰弱期、著しく体力の衰えている人
・発汗傾向の著しい人
・狭心症、心筋梗塞等の循環器系の障害のある人、または過去に障害があった人
・重い高血圧の人
・腎臓に重い障害のある人
・排尿障害のある人
・甲状腺機能亢進症の人

また次の方も注意する方が良いでしょう。

  • 臓毒証体質に当てはまらない人
  • ドーピング検査の対象となる人
  • 妊婦、妊娠している可能性のある人
  • 授乳中の人

体質に合わなければ漢方も副作用が出ます。

防風通聖散には大黄や麻黄が含まれているので下痢や動悸などが場合によって起こることがあります。

大黄は早産を促す可能性があるため妊婦の方な妊娠している方は控えましょう。

麻黄はドーピング禁止物質になっていることが多いのでドーピング検査を受ける可能性のある方は注意が必要です。

飲んでも大丈夫か気になる時は一度ご相談ください。

おすすめの防風通聖散

脂肪太りで便秘気味であれば試していただいてはいかがでしょうか。

色々なメーカーから販売されている防風通聖散。満量処方といった濃度の濃いものも多数販売されています。

その中でもオースギ漢方の防風通聖散は、病院で使われる医療用漢方と同じ内容で作られているためおすすめです。

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ちなみに同じような症状でもストレスが絡んでいる時は大柴胡湯がおすすめです。
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