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薬膳料理とは?薬膳と中医学(漢方)の違いは?
「薬膳」はどんなイメージがありますか?
高麗人参やクコの実、ナツメなど生薬が入っている料理でしょうか。
サムゲタンを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
しかしこれは正解でもあり間違いでもあります。
なぜなら薬膳は個人の体調や環境に合わせた料理を選ぶのが原則だからです。
薬膳は中医学理論にもとづいて作る料理
「薬膳」には二つの意味があります。
一つは、中医学理論をもとに食材と中薬(=中国での生薬の呼び方)を入れて作る料理のことです。
伝統的な薬膳はこの考え方です。
もう一つが、中薬が入っても入らなくても中医学理論をもとに健康維持や病気の治療などを目的として作る料理のことです。
現在ではこちらの考え方が一般的になっています。
どちらにしても共通しているのは「中医学理論に基づいている」ことです。
伝統的な薬膳の考え方(狭義の薬膳):病気の治療のため、中医学理論をもとに食材と中薬を入れて作った料理のこと
現在の薬膳の考え方(広義の薬膳):健康維持や病気の予防・治療のため、中医学理論をもとに作った料理のこと(中薬は入らなくてもいい)
中医学理論とは中医学(=中国伝統医学)における治療の考え方のことで、個々の体質や体調、病状、季節、住んでいる環境などを考慮したうえで治療するのが原則です。
そのため中薬を使っていたら何でも薬膳料理になるわけではありません。
もし体質や体調に合わない料理で逆に体調を崩してしまったら「薬」膳ではなくなってしまいます。
体調や環境に合わせた料理を選ぶのが薬膳の原則
中医学も薬膳も基本は同じ考え方
今では中医学と薬膳は分けられていますが、もともとは薬と食べ物の区別はなかった(薬食同源)と言われています。
そのうち長い年月をかけて、美味しいものが「食材」として、味はよくないが薬効の強いものが「薬(中薬)」として治療に使われるようになりましたが、基本的な考え方はどちらも同じです。
・普段から食べられる味のよいもの=「食材」
・味はよくないが薬効が強い食べ物=「中薬」(=中国での生薬の呼び方)
薬膳と中医学の違いは方剤を使うか料理を使うか
中医学理論は「陰陽五行説」「気・血・津液」「臓象学説」などの古代思想を基本としています
中医学では、この基本理論にもとづき、四診と呼ばれる診断法を用いて証や治療方法を導き出し、中薬(生薬)を組み合わせた方剤を処方します。
これを「弁証論治(べんしょうろんち)」といいます。
薬膳も流れは同じです。
四診から証を決定し、治療方法を導き出して適当な食材や中薬を使って料理を作ります。
これを「弁証施膳(べんしょうしぜん・べんしょうせぜん)」といいます。
弁証論治と弁証施膳を比べると、方剤を使うか料理を使うかの違いだけで、使うまでのプロセスは同じことがわかります。
中医学も薬膳も治療内容を決めるプロセスは同じで、中医学は方剤を使い薬膳では料理を使う
古代中国では「食医」が最も重視されていた
古代中国では医師はランク分けされており、最高位が薬膳で体調を整える「食医」、病気を治療する「疾医」はその下だったと言われています。
当時からすでに普段の食事による健康管理が重要視されていたわけです。
とくに昔は医療が今のように発展していたわけではなく、病気になったら命に関わることも多かったため、いかに病気にならないようにするかが大切だったと考えられます。
薬膳は中医学より奥が深い?
処方がある程度決まっており中薬を煎じるだけの中医学に比べると、薬膳は食材を一つ一つ選び、さらに調理方法の工夫といった料理の腕も必要です。
また薬膳では食材に加えある程度の数の中薬も勉強する必要があります。
薬膳は中医学以上に奥が深いのかもしれません。
漢方と中医学の違い
ここまで「漢方」ではなく「中医学」と書いてきたのは、「漢方」と「中医学」は厳密には意味が違うためです。
本来、漢方は日本伝統医学のことを指します。
中医学と漢方は、どちらも原点は古代中国医学ですが、それぞれ独自で発展したため考え方などが大きく違います。
このことから、薬膳と漢方を比べることは、中医学と日本伝統医学と比べるのと同じことで、違いを一言で説明することはできません。
ただし、現在は生薬を使った伝統的な治療(日本伝統医学、中医学など)をひっくるめて漢方と言うことがほとんどです。
そのため、「中医学も薬膳も基本は同じ考え方」の項目で出てくる「中医学」の言葉を「漢方」に置き換えても現在では意味は通じます。
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ただし、薬膳の資格は数が非常に多く、どれがいいのかわかりづらいです。
こちらの記事では、薬膳資格選びの参考になよう詳しく解説していますので、ぜひご覧になってください。
参考書籍:実用中医薬膳学 東洋学術出版社