【漢方資格】どれがいい?一覧解説

漢方の資格は医療従事者だけでなく、一般の方にもおすすめです。

漢方の知識を持っていれば、簡単な症状であれば自分で漢方薬を選び、自身や家族の治療や健康維持に役立てられるからです。

本記事では、漢方の資格を大きく次の3つに分けてまとめています。

  • 通信教育会社の講座で取得できる資格
    (一般向け)
  • 民間スクールの講座で取得できる資格
    (一般~専門家向け)
  • より専門的な資格
    (専門家向け)

なお、筆者(管理薬剤師)は、国際中医師、国際薬膳師、漢方薬・生薬認定薬剤師の取得歴があります。

※定期的な情報更新に努めておりますが、最新情報については各ホームページ等でご確認ください

※記載内容について内容不備や修正事項がございましたら問合せよりご指摘いただけますと幸いです。

もし漢方ではなく薬膳の資格をお探しの方はこちらをご覧ください
薬膳の資格はどれがいい?それぞれの違いとおすすめ別資格一覧

目次

通信教育会社の講座で取得できる資格

このような方におすすめ
  • 漢方薬に興味があり基本を学びたい
  • 最初からスクールに行くのは抵抗がある
  • あまりコストをかけたくない

通信教育会社の漢方講座では、漢方理論の基本や、漢方理論を使って体質や病状(証)に合わせた「漢方薬」や「生薬」の選び方、飲み方などを独学できるようになっています。

漢方を初めて学ぶ方、基本から学びなおしたい方、スクールに通うのに抵抗がある方におすすめです。

漢方アドバイザー

ラーキャリ 漢方アドバイザー資格取得講座
引用:ラーキャリ 漢方アドバイザー資格取得講座
  • 最長3年間の長期サポートで自分のペースで勉強できる
  • 分からない部分は24時間365日いつでもLINEで質問できる
  • 漢方の通信資格講座の中ではリーズナブルな料金
  • 最短3週間で資格取得も可能
  • 大手企業も導入しているラーキャリの講座

認定機関:日本技能開発協会(JSADA)
講座実施機関:ラーキャリ
資格取得までの目安時間:最短3週間(課題提出しない場合)
テキスト教材+受験料:49,500円 期間限定で1万円割引中
受験のみ:16,500円

読みやすいテキストで知識が幅広く身につく

ラーキャリの漢方アドバイザー取得講座では、五行説や気血水といった漢方薬の基礎から、漢方薬の副作用や代表的な漢方薬、服用方法など実践的な内容まで、漢方の知識を幅広く身につけることができます。

テキストはカラーではありませんが、適度な行間で読みやすく、大切なポイントがわかりやすくまとめてあり学習しやすくなっています。

巻末資料に生薬の一覧もあり、人気の講座です。

※ラーキャリの講座は資料請求ができない代わりにテキストの一部が無料公開されています。
漢方アドバイザーテキストサンプル(PDF)

カリキュラム内容は次の通りです。

ラーキャリ 漢方アドバイザー資格取得講座より

リーズナブルな価格

漢方の通信講座の中では最もリーズナブル(49,500円)です。

さらに1万円割引キャンペーンなどをしていることが多く、お得に受講できることが多いです。

最長3年間のサポート

試験合格まで2年間のサポート(申込でさらに1年間延長可能)が付いており、自分のペースに合わせて勉強することができます。

最短3週間で資格取得可能

どうしてもすぐに資格が欲しい方は、申込みから最短3週間で資格取得することも可能です。

ただし、この場合は課題添削を出さず試験を受ける場合です。

通常は課題を提出しながら、じっくり学ぶことをおすすめします。

なお、知識に自身のある方は講座受講せずに試験のみ受験することも可能です。

大手企業も採用

講座提供しているラーキャリは、HONDAやPanasonicなど大手企業も研修等で利用しており、信頼感のある企業です。

ラーキャリ 漢方アドバイザー資格取得講座より

【申込みはこちら】

ただいま1万円割引キャンペーン中

中国漢方ライフアドバイザー

キャリカレ 中国漢方ライフアドバイザー講座
引用:キャリカレ 中国漢方ライフアドバイザー講座
  • DVDによる映像講義あり
  • 課題を送るたびにオリジナル漢方コスメレシピをもらえる
  • 手厚いサポート

認定機関:日本能力開発推進協会(JADP)
講座実施機関:株式会社キャリカレ
取得までの目安時間:4ヶ月
受講料:58,800円(web申込価格)
  ※送料別
受験料:5,600円
試験頻度:随時

中医学・漢方について学べる

中国漢方ライフアドバイザーは、キャリカレの中国漢方ライフアドバイザー講座を修了し、試験に合格すると取得できます。

講座では、中医学の基本から症状別漢方薬の使い方、一般用漢方薬の知識、漢方コスメなどを習得できます。

【カリキュラム内容】

キャリカレ 中国漢方ライフアドバイザーより

充実のサポート

キャリカレの講座はサポートが充実しているのが特徴です。
・業界最長の700日間サポート
・就・転職のサポート
・ホームページ制作支援
・課題を一つひとつ手書きで採点。手厚く丁寧な添削指導

国際中医専門員監修のDVD付属

国際中医専門員の資格を持つ薬剤師による監修で、講義DVDが付属しており映像を観ながら学ぶことが可能です。

付録

漢方用語ハンドブックや、女性にうれしいオリジナル漢方コスメレシピが付属しています。

料金はやや高め

受講料金はやや高めの設定ですが、キャンペーンをしていることも多いです。

【資料請求・申込みはこちら】

ブラックフライデーキャンペーン中(12/2まで)

漢方コーディネーター(+薬膳調整師)

SARAスクール 漢方コーディネーター・薬膳調整師
引用:SARAスクール 薬膳資格・漢方資格取得講座
  • 薬膳調整師と2つ一緒に取得が可能
  • 漢方だけでなく薬膳にも興味がある方におすすめ
  • 試験免除講座はテスト無しで資格を確実に取得できる

認定機関:日本安全食料料理協会(JSFCA)
講座実施機関:「SARAスクールジャパン」「諒設計アーキテクトラーニング」
資格取得までの目安時間:最短2か月
受講料:①59,800円 ②79,800円
受験料:①1万円 ②なし(試験免除)

漢方と薬膳の2資格を確実に取得可能

本講座は、料金は上記の資格よりも高めですが、「漢方コーディネーター」と「薬膳調整師」の2資格を同時取得できるのが特徴です。

資格取得の方法は2つあります。

①認定講座(59,800円)を受講しテスト(各1万円)に合格
②試験免除講座(79,800円)を受講

②の試験免除講座を受講すれば「漢方コーディネーター」と「薬膳調整師」の両方を試験なしに取得できます。

受験料(1万円×2)を合わせると結果的に①も②も同じ料金のため、②がおすすめです。

「SARAスクールジャパン」または「諒設計アーキテクトラーニング」が行っている漢方薬膳講座を修了すると資格が取得できます。

なおどちらも新生技術開発研究所が運営しており講座内容は同じです。
(諒設計アーキテクトラーニングは一般向け、SARAスクールジャパンは女性向けにデザインされたサイトになっています)

漢方の基本から選び方まで学べる

漢方コーディネータの講座内容は、次の通り、漢方の歴史や気血水の概念など基本理論から漢方の選び方まで勉強できる内容となっています。

【カリキュラム内容】

SARAスクール 薬膳資格・漢方資格取得講座より

諒設計アーキテクトラーニングからも教材が提供されていますが、SARAスクールと運営母体は同じで講座内容も同じです。SARAスクールは女性向け、諒設計アーキテクトラーニングは一般向けのサイトデザインになっています)

【資料請求・申込みはこちら】

通信教育会社の講座で取得できる資格一覧

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資格・講座名
(認定機関)
講座実施機関受験料受験料試験取得の目安時間特徴サポート
漢方アドバイザー
(日本技能開発協会
(JSADA))
ラーキャリ①49,500円
(テキスト+受験料込)
②0円
①なし
②11,000円
随時
(在宅)
最短3週間テストだけの受験も可能・2年間(申込で1年延長可)
・LINEで質問可
中医漢方ライフアドバイザー
(日本能力開発推進
協会(JADP))
キャリアカレッジジャパン58,800円(web申込価格)
※送料別
5,600円随時
(在宅)
4ケ月サポートが手厚い
国際中医師の資格を持つ薬剤師が講師
・700日間
・専任講師が何度でもサポート
・就,転職のサポート
・ホームページ無料制作支援
漢方コーディネーター
(日本安全食料料理
協会(JSFCA))
・SARAスクール
・諒設計アーキテクトラーニング
①59,800円
②79,800円
(試験免除・漢方コーディネーター)
①1万円
②なし
随時
(在宅)
最短2ヶ月薬膳調整師との同時取得可能
②なら無試験で両資格取得可能
・6ヶ月
・専属スタッフサポート
・お仕事お役立ちブック
・講座修了証、資格認定証の無料発行

民間スクールの講座で取得できる資格

スクールの講座では、より上級者向けの資格が取得できます。

国際中医師(国際中医専門員/国際中医ライセンス)

認定機関:世界中医薬学会連合会
講座実施機関:下記参照
受講料:40万円~200万円程度
受験料:20~30万円程度
取得までの目安時間:2年程度
試験頻度:1年に1回(スクールにより時期が異なる)

国際中医師は、中医師(中国の漢方専門医)と同等の知識(教科書レベル)を持っていると認められた人に与えられる国際資格です。

中医師の文字が入っていますがあくまで日本では民間資格のためこの資格だけで医療行為はできません。紛らわしいので、最近は「国際中医専門員」や「国際中医ライセンス」とも呼ばれています。

中医学を学びたい方だけでなく、日本漢方に携わる方も中医学の知識も持っておくと漢方の視野が広がるためおすすめの資格です。

医師・薬剤師・鍼灸師など臨床で漢方に携わっている方の取得者が多い印象です。

国際中医師の資格を取るためには、養成学校で講座を修了してから国際中医師の試験を受けて合格する必要があります。

費用や受講スタイルはスクールによって異なります。
たとえば私(管理薬剤師)が通った上海中医薬大学日本校は授業料80万円+試験料約20万円で計100万円程かかり、通信+毎月のスクーリングがありました。
卒業者には卒業後も無料で自由に参加できる特典もあります。(コロナ禍以降はzoomでの受講)

なお中医学アカデミーでは完全オンライン講座で価格396,900円(ビデオ映像付き50万円)とかなり低料金です。
その代わりに中医師から生の講義を受けたりその場で質問をしたりすることはできませんので、どれが自分に合っているのか色々資料を見ながら選ぶのがいいと思います。

【国際中医師を取得できる主な機関】

もし、いきなり中医学を学ぶのに抵抗のある方は、薬膳の勉強から始められるがおすすめです。

漢方養生指導士

認定機関:日本漢方養生学協会
講座実施機関:薬日本堂漢方スクール

漢方養生指導士は、日本漢方養生学協会(薬日本堂)が認定する資格です。
タレントのアンミカさんも取得されていることで有名です。

漢方養生指導士は、レベル別や内容によって呼び方が分かれています。
(以前は漢方スタイリスト、漢方上級スタイリストなどでしたが現在は名称が変わっています)

ベーシック→アドバンス→各マスターのステップアップ方式です。

ベーシックは薬膳が中心、アドバンスは漢方薬の内容も入ってきます。

スクロールできます
漢方養生指導士入学金コース受講料受験料受講資格コース
修了条件
ベーシック11,000円通学:42,000円
オンライン・通信:37,800円
6,600円誰でも15単位以上
アドバンス通学:160,000円
オンライン・通信:144,000円
8,800円ベーシック取得者29単位以上
漢茶マスター通学:88,000円13,200円アドバンス取得者20単位以上
薬膳マスター通学:88,000円
オンライン:79,200円
16,500円20単位以上
薬物学マスター通学:264,000円
オンライン:250,800円
16,500円44単位以上
臨床マスター通学:330,000円
オンライン:313,500円
17,600円48単位以上

※1単位=1時間

参考:薬日本堂漢方スクール

準中医漢方薬師・中医漢方薬師

認定機関:中医臨床学術協会
講座実施機関:日本統合医療学園
受験料:8,000円
試験頻度:年1回

「中医」の名前の通り中医学の知識を問われる内容になっています。

資格が無くても受験が可能ですが、基本的に医療関係者が対象のため難易度はやや高めと思われます。

【各試験の詳細】

○「準中医漢方薬師」
中医基礎+生薬・漢方問題50問(2点×各25問)5者択2問題

試験時間90分、60%(30問)以上合格 

○「中医漢方薬師」
中医臨床の基礎 20問(3点×20問)の5者択2問題

中医臨床の症例問題※2問 記述式(20点×2) 

試験時間90、60%(6問)以上で合格

「中医漢方薬師」認定試験のご案内より

参照:日本統合医療学園

より専門的な漢方資格(専門家向け)

上記の資格の他に、専門性が高い資格をご紹介しておきます。

どれも臨床や漢方関連に仕事に携っている方向けで、資格取得後も更新制となっており継続的に勉強が必要です。

漢方専門医/日本東洋医学会認定医…医師免許が必要

日本東洋医学会が認定する制度です。医師免許が必要です。

漢方専門医と日本東洋医学会認定医があり、前者の方が難しく、ある程度の勤務経験に加え、症例報告や研修の受講などの他、筆記試験・面接に合格する必要があります。

取得後も5年ごとの更新が必要です。

日本東洋医学会 専門医認定制度・認定医認定制度についてより

漢方薬・生薬認定薬剤師…薬剤師免許が必要

日本薬剤師研修センターが認定する制度で、漢方薬・生薬に関する専門的知識を持った薬剤師に対して与えられる資格です。筆者も取得歴があります。

漢方薬と生薬について年9回の研修会と1回の薬用植物園実習を受け、筆記試験に合格する必要があります。

取得後も3年ごとの更新が必要です。

漢方薬・生薬認定薬剤師とは?
 「漢方薬・生薬認定薬剤師」は、専門業務分野においてあるレベル以上の能力と適性を持っていることを試問等により確認し、その能力を証明された薬剤師を指します。
 認定されたことにより、患者や処方医師に自信を持って漢方薬・生薬に関する情報提供ができます。また、「漢方薬・生薬認定薬剤師」であることを、認定証掲示やIDカード着装により、患者や他の医療従事者にアピールすることもできます。

公益財団法人日本薬剤師研修センター 漢方薬・生薬認定薬剤師制度とは より

漢方生薬ソムリエ…薬学部レベル以上の生薬知識が必要

初級・中級・上級に分かれ、初級が薬学部の生薬学レベルに該当し、取得するには生薬の深い知識を要します。
試験は筆記だけでなく生薬の鑑定も含まれています。
また受験資格には、薬系大学で生薬学を習熟した者、 企業や病院などで生薬取扱い歴3年以上の者などの要件があります

そのため生薬メーカーの方が持っていることが多く、中級はその中の一握りの方が取得されています。
上級は該当者がいないため試験が実施されていない状態です。

取得後(初級)も3年毎の更新が必要です。

日本漢方ソムリエ生薬協会 漢方生薬ソムリエ試験制度についてより

参考情報

漢方の資格は民間資格だけ

ここまで色々資格を紹介してきましたが、漢方関連の国家資格はなく、すべて民間資格です。

なお漢方薬の処方・調剤・販売は国家資格が必要ですが、漢方独自の資格ではありません。
処方…医師
調剤…薬剤師
販売…薬剤師/登録販売者(一般用医薬品)

日本漢方と中医学があることを意識しておくのがコツ

漢方には、主に、日本漢方(日本伝統医学)と中医学(中国伝統医学)の2つの考え方があることを意識しておくと良いです。

漢方の資格や勉強会では日本漢方と中医学を組み合わせて説明されることが多く、「漢方」という一つのくくりで勉強を進めると、混乱することがあるからです。

日本漢方と中医学はルーツが一緒ですが、それぞれ独自に発展した医学のため、物事のとらえ方や考え方にかなり違いがあります。

漢方を最初に勉強するなら中医学がおすすめ

個人的には、漢方を最初に勉強するなら、まず中医学から始められるのがおすすめです。

中医学は、整理・理解しやすいためです。

日本漢方は、日本で特化された医学のため実用的ですが、丸暗記する内容も多く、初めて漢方に触れる方には理解しにくい内容かもしれません。

一方、中医学は、日本で使われていない処方も多いなど実用的でない部分もありますが、体系的な学問として成立しているため、頭で整理・理解しやすくなっています。

そのため、漢方を最初に勉強するなら、中医学から始められるのをおすすめします。

日本漢方中医学
メリット日本で発展してきたため実用的知識が体系化されており、整理・理解しやすい
デメリット丸暗記が必要など、頭で理解しにくい部分も多い日本では使いにくい内容も多い

中医学は薬膳の勉強から始めるのも良い

もし、いきなり中医学を勉強するのに抵抗があるのでしたら、薬膳の勉強から始められるものおすすめです。

薬膳は中医学がベースとなっており基本的な部分は全く同じですし、日頃の食事で実践しながら学ぶことが可能だからです。

実際に、私は薬膳の勉強を通じて中医学を知り、国際中医師の資格を取得しました。

なお薬膳の勉強には、体系的に学ぶことができる薬膳資格取得講座がおすすめです。

薬膳資格については、以下の記事をご覧ください。

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