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漢方薬が湿気で固まってしまった

梅雨や雨の日が続いたりすると、「漢方薬が固まってしまったが飲んでも大丈夫ですか?」と質問を受けることがあります。

湿度の高い時期の保管は普段よりも注意が必要です。

目次

包装から出した漢方薬(エキス製剤)は湿気やすい

一般的に使われている漢方薬は、生薬をぐつぐつと煮て成分を抽出した液を乾燥させ、添加物を加えて均等な大きさに砕いたエキス製剤と呼ばれるものです。

エキス細粒剤
漢方エキス製剤

エキス製剤は湿気やすく、湿度が高い状態が続くとすぐに固まってしまいます。

メーカーの包装のままだと湿気は全く問題ありませんが、包装から取り出してそのまま放置しておくと、梅雨時期なら数時間で濃い茶色に変色して固まってしまいます。

また薬局で粉薬を小分けして包装する場合、セロポリと呼ばれるプラスチックの包装が使われることが多く湿気にやや強いとされていますが、こちらも高湿度には注意が必要です。

実際に6月の梅雨の時期に試してみました。コタローの漢方薬です。

環境:湿度65~70% 室温26℃(除湿器とエアコンでキープ)

①無包装(画像の左側。薬包紙に乗せている)

②セロポリ(画像の右側。やや湿気には強いとされる)

左:無包装 右:セロポリ

0時間

左:無包装 右:セロポリ

16時間後

光の加減で2枚目の方が本当は明るい色合いなのですが、16時間後では無包装の漢方薬はそれでも濃い茶色になりました。触ると手で丸められるほどネトネトになっていました。

一方で、セロポリに入れている漢方薬はまだはありませんでした。しかし2週間でベトベトに固まってしまいました。

2週間後のセロポリ中の漢方薬

さらに湿度が高いともっと早く固まってしまうので注意が必要です。

べとついてしまった漢方薬は飲まない

触ると砕けてパラパラになる程度ならまだ飲んでも良いですが、べとついてしまった状態の漢方薬は飲むのは避ける方が良いでしょう。

水分を多く含んでいる状態のためカビや雑菌が繁殖しやすくなるためです。

梅雨時期(湿度の高い時期)の保管方法

メーカーの包装(銀色の包装)に入っている場合は特別心配はしなくてもかまいませんが、上記の通り一度開封をした漢方薬やセロポリに入っている漢方薬は湿気に注意が必要です。

チャック付袋に入れてきちんとチャックをしていても、梅雨など湿度の高い時期では漢方薬が湿気てしまうことがあります。

湿気させないために次の保管方法をおすすめします。

湿気の高い時期の漢方薬の保管方法
  • タッパーなどの密閉容器に入れておく
  • 冷蔵庫に入れておく(数か月以上持ちます)

冷蔵庫で保管する場合は、漢方薬を冷蔵庫から出してしばらく置くと温度差による結露が包装に発生することがあり湿気やすくなることがあるため、その都度使う分だけ取り出すようにしましょう。また野菜室は冷蔵室よりも湿度が高いことが多いですが、梅雨時期の湿度よりはましだと思われます。

ただ東芝の一部の機種のように、庫内をわざと高湿度(85%以上)にしているものがあるため、念のため冷蔵庫の機能を取説で調べてから使うのが無難です。

以上、湿度の高い時期の漢方薬の保管についてでした。

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