漢方薬が湿気で固まってしまった。飲んでも大丈夫?

梅雨や雨の日が続いたりすると、「漢方薬が固まってしまったが飲んでも大丈夫ですか?」と質問を受けることがあります。

今回は、固まってしまったときの対応や湿度の高い時期の保管について解説していきます

目次

漢方薬が固まったら状態を見て判断

漢方薬が固まったら、固まり具合を見て飲むか飲まないか判断すると良いです。

砕いてパラパラの状態なら飲んでも大丈夫

手で砕くとパラパラの状態になるようでしたら、お飲みいただいても問題ありません。

べとついてしまった漢方薬は飲まない

べとついて粘土状になった漢方薬は飲むのは避けてください。

水分を多く含んでいる状態のため雑菌が繁殖しやすくなるためです。

漢方薬(エキス製剤)は湿気に注意が必要

一般的に使われている漢方薬はエキス製剤と呼ばれるもので、湿気やすく、湿度が高い状態が続くとすぐに固まってしまいます。

エキス製剤とは、生薬を煎じて成分を抽出した液を乾燥させたものに添加物を加え、粉状に砕いたものです。

エキス細粒剤
漢方エキス製剤

開封後は固まりやすい

エキス製剤は湿気に非常に弱く、湿度が高い状態が続くとすぐに固まってしまいます。

メーカーの包装のままなら問題ありませんが、開封後は放置すると数時間で変色・固化してしまう可能性があります。

特に梅雨時期には注意が必要です。

薬局での小分け包装も湿気に注意が必要

また薬局で粉薬を小分けして包装する場合、セロポリと呼ばれるプラスチックの包装が一般的に使われています。

セロポリは湿気にやや強いとされていますが、高湿度下で放置しておくと漢方薬が固まるので注意が必要です。

実際に試してみました

実際に6月の梅雨の時期に試してみました。コタローの漢方薬です。

環境:湿度65~70% 室温26℃(除湿器とエアコンでキープ)

①無包装(画像の左側。薬包紙に乗せている)

②セロポリ(画像の右側。やや湿気には強いとされる)

左:①無包装 右:②セロポリ

0時間

左:①無包装 右:②セロポリ

16時間後

光の加減で2枚目(16時間後)の方が明るく映っているにも関わらず、無包装の漢方薬①はかなり濃い茶色になっています。

触ると手で丸められるほどネトネトの粘土状でした。この状態になると飲まない方が無難です。

セロポリに入れている漢方薬②は、16時間後では変化がありませんでしたが、2週間でこちらもベトベトに固まってしまいました。

2週間後のセロポリ中の漢方薬

湿度65~70%でこの状態になるので、湿度80%以上になる梅雨時期ではさらに注意が必要です。

梅雨時期(湿度の高い時期)の保管方法

メーカーの包装(銀色の包装)に入っている場合は心配はしなくてもかまいませんが、一度開封をした漢方薬やセロポリに入っている漢方薬は湿気に注意が必要です。

チャック付袋に入れてきちんとチャックをしていても、梅雨など湿度の高い時期では漢方薬が湿気てしまうことがあります。

そのため、湿気させないために次の保管方法をおすすめします。

湿気の高い時期の漢方薬の保管方法
  • タッパーなどの密閉容器に入れておく
  • 冷蔵庫に入れておく(数か月以上持ちます)
  • メーカーの包装を開けた場合はシーラーをする

冷蔵庫で保管する場合は、漢方薬を冷蔵庫から出してしばらく置くと温度差による結露が包装に発生することがあり湿気やすくなることがあるため、その都度使う分だけ取り出すようにしましょう。

また野菜室は冷蔵室よりも湿度が高いことが多いですが、梅雨時期の湿度よりはましだと思われます。

ただ東芝の一部の機種のように、庫内をわざと高湿度(85%以上)にしているものがあるため、念のため冷蔵庫の機能を取説で調べてから使うのが無難です。

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