漢方薬で二日酔い対策

お酒をつい飲みすぎて次の日辛い思いをしてしまった。

お酒を飲む方であればこのような経験をされた方は少なくないのではないのでしょうか。私も人のことは言えません…

飲みすぎないようにするのが一番の対策ですが、人間ですから気分の良い時はつい飲みすぎてしまうこともありますよね。

そこで今回は二日酔いの症状をやわらげる漢方を紹介します。

目次

二日酔いの原因は解明されていない

アルコールが代謝されてできるアセトアルデヒドが原因と言われていますが、二日酔いのメカニズムははっきりと解明されていません。

また二日酔いにはきちんとした定義がなく、一般的にはアルコールを飲みすぎた翌日以降に残る不快な症状のことを言います。

代表的な症状として、頭痛や吐き気・下痢、むくみ、胃もたれ、睡眠障害、動悸などがあります。

二日酔いは酒の飲みすぎが原因であることは明白です。しかしほとんど誰もが知っているあのつらい症状が何故起きるのかについては驚くほど解明されていません。

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現代医学では原因が分からないため特効薬がありません。こういう時は漢方の出番です。

漢方で見た二日酔いの原因

漢方では、主に3つの原因が二日酔いの症状として考えられます。

  • 熱邪
  • 湿邪
  • 寒邪

熱邪(のぼせなど)

熱邪により、目の充血、頭痛、ほてり、不眠、動悸、胃の不快感、口の渇き、尿の色が濃いなどの熱症状が見られます。

アルコール度数の高いお酒でこれらの症状が出やすいです。

これはなぜかというとアルコール自体が熱性を持つためです。アルコールをたくさん飲むと体内で悪さをする熱邪(熱毒とも言う)に変化します。

また、上半身に症状が集中するのは熱は上に昇りやすいためです。

お酒の例:ワインや日本酒など

湿邪(むくみなど)

湿邪により、むくみや下痢などの症状が見られます。

水分の取りすぎによるものです。

湿邪に侵された状態のことを水毒、水湿、内湿とも言います。

お酒の例:ビール、酎ハイなど

寒邪(下痢など)

寒邪により、胃腸が冷え、下痢などが起こります。

体を冷やすものの取りすぎが原因です。

お酒の例:ビール、冷たい酎ハイなど

これらの邪は複合的に関係することも多く、たとえばキンキンに冷えたビールを飲みすぎると水湿と寒邪が両方関わり、むくみが出たり、下痢を起こしたりします。

二日酔いに使う代表的な漢方薬

代表的な3つの漢方薬をご紹介します。

半夏瀉心湯-胃のつかえ、下痢・軟便に

半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)は、吐き気やむかつき、胃のつかえがあり、同時に下痢・軟便もある時に効果的です。

下痢が無く、胃のむかつきや食欲不振、吐き気だけの時でも使えます。

漢方的には、胃熱・心熱を抑えながら、脾を温めるという相反する2つの役割を持ち、熱邪と寒邪の両方に対応します。

黄連解毒湯-熱症状が強い時

黄連解毒湯(おうれんげどくとう)は、目の充血、ほてり、頭痛、動悸、不眠などの熱症状が強い時に使います。

熱を冷ます漢方薬は苦味を持つものが多いです。

黄連解毒湯はとても苦い漢方薬ですが、これを飲むとそれらの症状がスッと楽になります。

アルコール度数の強いお酒を飲みすぎたときに重宝します。

丸剤
丸剤(原末)|ウチダの黄連解毒丸

こちらの黄連解毒丸は生薬を粉にしてそのまま固めた丸剤です。エキス剤(粉)と比較して、効果が高く、口の中に広がらないため苦味も感じにくくなっています。

五苓散-むくみが強い時

五苓散(ごれいさん)は水分代謝異常を改善するため、むくみ、嘔吐、下痢、口の渇くが尿量が少ない時などに効果があります。

五苓散は、水分代謝を改善する生薬が多く含まれており強力な利水剤です。

利水剤と言っても西洋薬の利尿剤のように強制的に水を尿で出すのではなく、体の中で水の足りないところがあれば適切に分配し、余計な水だけを尿で出してくれます。

症状が重なったら併用可能

いくつか異なる症状が重なったら漢方を併用することも可能です。

たとえば熱毒症状が強くむくみがひどい時は、黄連解毒湯と五苓散を併用します。

漢方薬を飲むタイミング

いずれも即効性があるので症状が出てからでも効果はありますが、お酒を飲む前に飲んでおいても効果的です。

症状が治まれば中止します。

以上、お酒を飲みすぎた時(二日酔い)に役立つ漢方を紹介しました。

ご希望の商品がございましたらお気軽にお問い合わせください。

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