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漢方薬とオルリスタット(アライ:alli)の飲み合わせについて
処方箋なしで買うことができる肥満薬は、これまで漢方薬だけでしたが、2024年4月からオルリスタット(アライ:alli)が加わりました。
この記事では、漢方薬とオルリスタットを一緒に飲んでも問題ないかどうか、また併用すると効果はあがるのかどうかなどについて解説いたします。
併用注意・併用禁忌の報告はない
オルリスタットの添付文書(説明書)には、漢方薬との相互作用や注意について記載されていません。
次の人は服用しないでください
(1)本剤又は本剤の成分により、アレルギー症状を起こ
したことがある人。
(2)18才未満の人。
(3)次の医薬品を服用している人。
シクロスポリン製剤(免疫抑制剤)、抗HIV薬(エイズ治療薬)、ワルファリン等の抗凝固薬(省略)
次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談してください
alli 添付文書より
(1)医師の治療を受けている人。
(2)薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人。
(3)次の診断を受けた人。
膵炎、胆のう障害(胆石等)、腎臓病
(4)次の医薬品を服用している人。
(本剤との併用により、現在服用している薬の効果に影響が出るおそれがあります)
アミオダロン製剤(心臓の薬)、レボチロキシン(甲状腺障害治療薬)、抗てんかん薬、抗うつ薬、抗精神病薬(リチウム製剤を含む)、ベンゾジアゼピン系薬剤(抗不安薬、睡眠薬)、経口避妊薬
オルリスタットと漢方薬の併用についてのデータはない
オルリスタットと漢方薬の併用に関する明確なデータは現時点では存在しません。
以下は、あくまでそれぞれの作用機序や成分に基づいて、併用時の注意点について解説しています。
併用するにあたっての注意
併用するにあたり、次の点に注意が必要と考えられます。
- 同時服用により漢方薬の一部の成分について吸収が弱まる可能性がある
- 漢方薬の種類によっては、併用により下痢や軟便などの副作用が出やすくなる可能性がある
漢方薬の効果が減弱する可能性
漢方薬には油に溶けやすい(脂溶性)の有効成分が含まれていることがあります。
オルリスタットは、油の吸収を抑制し便で排泄するため、両者を併用すると、漢方薬に含まれている脂溶性の有効成分が体に吸収されにくくなる可能性があります。
下痢や軟便の副作用が増強する可能性
オルリスタットは、油を体内に吸収させずに便で排泄するお薬です。そのため、下痢や軟便(脂肪便)の副作用が出やすいという特徴があります。
その他の注意
本剤は飲食物に含まれる脂肪の体内への吸収を低下させる効果があるため、油の漏れ、便又は油を伴う放屁(おなら)、脂肪便があらわれることがあります。
alli 添付文書より
なお、脂肪分の多い食事ほど、油の漏れ、便又は油を伴う放屁(おなら)、脂肪便があらわれやすくなります
オルリスタットと同系統のセチリスタット(国内未発売)の臨床試験では、下痢・脂肪便が55.9%という報告もあります。
大黄や芒硝などを含む排便を促進する漢方薬との併用は、下痢や軟便の副作用がさらに出やすくなる可能性があるため注意が必要です。
下痢に注意が必要な漢方薬の例:
防風通聖散、大柴胡湯、潤腸湯、麻子仁丸、桃核承気湯、通導散など
なるべく間を空けて服用する
もし併用するのであれば、オルリスタットと漢方薬はなるべく間を空けて服用する方が望ましいでしょう。
さきほど説明した通り、漢方薬の吸収に影響を及ぼす可能性があるからです。
方法としては、先に漢方薬を食時の30程前に服用し、オルリスタットを食事中(または食後)に服用すれば、間を空けることができます。
ただし、排便を促進する漢方薬については、血中に成分がしばらく残るため、間を空けても下痢や脂肪便の副作用が出やすくなる可能性があります。
下痢・脂肪便が続く場合は、医師や薬剤師に相談をしましょう。
併用することにより効果は高まるか?
オルリスタットと漢方薬は、それぞれ作用点が異なるため、併用することで効果が高まる可能性はあります。
漢方薬は胃腸の働きを助けて排泄を促し、代謝を向上させることで痩せやすい体づくりを目指します。一方、オルリスタットは余分な油の吸収を抑え、摂取カロリーを減らします。
このことより相乗効果が期待できる可能性があります。
ただし、繰り返しになりますがはっきりとした根拠データがあるわけではありません。
併用の際には、以下の点に注意しましょう。
- 医師や薬剤師に相談してから服用する
- 間を空けて服用する
- 下痢・脂肪便に注意
以上、オルリスタットと漢方薬の併用について解説しました。