脳卒中(脳梗塞・脳出血)によるしびれ等に使う漢方薬

脳卒中の後遺症に使われる続命湯、補陽還五湯のご紹介です。

目次

脳卒中とは

脳卒中は大きく2つのタイプがあります。

・脳の血管がやぶれて出血するタイプ(脳出血・くも膜下出血)
・脳の血管がつまって血の流れが止まるタイプ(脳梗塞・一過性脳虚血発作)

脳卒中の説明図

主な原因は、生活習慣病(脂質異常症、高血圧、糖尿病)やタバコ、ストレスなどによって動脈硬化が進むためと考えられています。

脳卒中の後遺症

脳卒中(脳梗塞・脳出血)の主な後遺症として、しびれ、運動麻痺、言語障害、疲労感、めまいなどがあります。

漢方で考える脳卒中

漢方では脳卒中のことを「中風(ちゅうふう)」と言います。

脳卒中は発症が突然で経過中は変化が激しく、これは自然界の風(ふう)の性質と一致するため、風に中(あた)ると書いて中風です。

後遺症は、気虚、瘀血、気滞、腎虚、痰湿などが関係していると考えられます。

脳卒中に使う代表的な漢方薬

基本的に、脳卒中の場合は一刻も早く救急車を呼んで西洋医学での治療が優先されます。

漢方薬は脳卒中の後遺症や予防で活躍の場があります。

続命湯

脳卒中に伴う、しびれや言語障害、筋肉のひきつりなどが残る場合に使います。

本来は脳卒中の発症時に使う処方ですが、数か月以上経って残る後遺症の症状にも使用できます。

また発症していなくても前駆症状(舌のもつれ、つまずき等)の疑いがある時に早めに飲んでおくと良いです。

続命湯エキス細粒G「コタロー」の添付文書

後遺症で、疲れやすい、筋力低下などの症状が強ければ下の補陽還五湯がおすすめです。

補陽還五湯

脳卒中の後遺症のために作られた処方です。

脳卒中後は全身の機能が低下し(気虚)、血流がうまく流れていない(瘀血)状態です。

このため神経や筋肉にうまく血の栄養が運ばれず、手足のしびれ、半身不随、顔面麻痺、言語障害、頻尿、尿漏れなどが起こります。

補陽還五湯は気を補い、血の巡りを良くしてこれらの症状を改善します。

脳卒中に限らず、慢性的に体力が落ち全身の機能低下によって血の巡りが悪くなっている方に良いです。

なお血の巡りを良くするため、脳出血時のような急性期には使いません

補陽還五湯エキス細粒G「コタロー」の添付文書

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