せんぶりの効能・使い方

「良薬は口に苦し」という言葉をお聞きになったことがあるかと思います。

実はことわざとしても使われ、「他人のいさめる言葉はつらいが結局は自分のためになる」という意味があります。

良薬(りょうやく)は口(くち)に苦(にが)し

《「孔子家語」六本から》よく効く薬は苦くて飲みにくい。よい忠告の言葉は聞くのがつらいが、身のためになるというたとえ。

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しかし今回ご紹介する「せんぶり」は文字通りの「良薬は口に苦し」です。

目次

せんぶりはどんな薬?

せんぶりは日本で昔から用いられてきた苦みの強い民間薬です。
(民間薬と漢方薬の違いはこちら

苦み成分が胃腸や皮膚を刺激し、苦味健胃や整腸薬として消化器疾患に使われてきたほか、育毛剤などにも用いられてきました。

参考までに当薬局で取り扱っているせんぶりは次のような効能効果が記載されています。

効能・効果
胃弱,食欲不振,胃部・腹部膨満感,消化不良,食べ過ぎ,飲み過ぎ,胃のむかつき
(ウチダのせんぶり 第3類医薬品)

せんぶりは別名「当薬(とうやく)」とも呼ばれ、「当(まさ)に薬である」という意味で良く効くことに由来します。

日本、朝鮮半島、中国に分布していますが、中国ではせんぶりのことを日本獐牙菜(にほんしょうげさい)、薬用部位は日本当薬(にほんとうやく)と呼ばれ主に日本でよく使われている薬草のようです。

なぜ「せんぶり」と言う?

せんぶりの語源は、千回振り出し(煎じ)ても苦いことに由来します。

千回振り出しても苦みが出るのか実際は定かではありませんが、それ程苦みが強いという意味が名前に込められています。

テレビ番組でもたまに罰ゲームでせんぶり茶を飲ませるシーンを見ることがあります。

実際にせんぶりを口の中に入れてみるとかなり苦いです。

言葉ではなかなか説明が難しいのですが、ゴーヤの苦みを倍にした苦さ、あるいは真っ黒に焦がした食べ物を口にした時の苦みに匹敵するのではないかと思います(個人的意見)。

ただ、苦いのですが嫌な感じではなくこれは効くな、という苦みです。

ちなみに苦参(くじん、クララの根)も相当苦く、個人的には苦参の方がにがてです。

使い方

商品によって説明がやや異なりますが、一般的に次のように用いられます。

・粉末は1回0.1~0.3gを1日3回服用します。

・乾燥品は一日、1.5g程度を300mlのお湯で煎じたり、せんぶりを容器に入れてお湯を注ぎ1日3回に分けて飲みます。

育毛剤として使用する場合は、せんぶり15gを細かく刻んでホワイトリカー300mlに1ヶ月ほど漬け込み、1日1回マッサージをするようにしてすり込みます。

注意すること

  • 苦みのある生薬は胃腸を冷やすものが多く、せんぶりも胃腸が弱い人は摂り過ぎに注意が必要です。
  • 市販薬は15歳以上の使用となっています。
  • 妊婦の方はご使用をお控えください。

せんぶりの通販しております

・乾燥品タイプ(煎じ、振り出して飲むタイプ)

・粉末タイプ(そのまま粉薬として飲むタイプ)

<参考書籍>
日本の薬草(小学館)
日本薬草全書(新日本法規)

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