夏バテに清暑益気湯エキス細粒G「コタロー」

「暑さで食欲がわかない」

「体がだるい」

このような症状でお悩みの方は夏バテかもしれません。

夏バテは、消化機能が弱まり、食事を食べられず体力が落ちてしまったり、疲労倦怠感が出たりする症状です。

今回は、夏バテに使われる代表的な漢方薬「清暑益気湯」について紹介いたします。

目次

清暑益気湯とは

清暑益気湯(せいしょえっきとう)は名前の通り、暑さを清めて気を益す(増やす)、夏バテに使われる漢方薬です。

清暑益気湯は、同名の処方がいくつかあります。

清暑益気湯は、もともと中国の李東垣(りとうえん)が1200年代に作った処方とされています。

李東垣は、脾胃(胃腸機能)を重要視し、脾胃の働きを助けて疲労倦怠感に良く使われている「補中益気湯」を作った人です。

その後、1600年代に書かれた医学六要という中国の書籍に清暑益気湯が掲載され、李東垣の処方よりもシンプルな内容となっています。

日本国内で使われている清暑益気湯はこの医学六要の処方が使われています。

夏場は自律神経が乱れやすい

夏場は、屋外とクーラーのついた屋内を出入りすることで寒暖差に対応できず、自律神経(交感神経・副交感神経)の切り替えが追い付かなくなり不調が出やすい季節です。

自律神経は、私たちの臓器などをコントロールしている神経で、不調が起こると食欲不振や動悸、倦怠感など様々な症状が現れます。

清暑益気湯で夏場の体調を整えることは自律神経の乱れを防ぐことにもつながります。

普段、補中益気湯や六君子湯を飲んでいるような方は、夏場だけ清暑益気湯に切り替えることもおすすめです。

構成生薬

清暑益気湯エキス細粒G「コタロー」の構成生薬と分量です。

生薬分量(1日分)作用
ニンジン2.8g補気
ビャクジュツ2.8g補気健脾
バクモンドウ2.8g滋陰
トウキ2.4g補血
オウギ2.4g補気
チンピ1.6g理気
ゴミシ1.6g止汗
オウバク1.6g清熱
カンゾウ1.6g補気、調和
清暑益気湯エキス細粒G「コタロー」の構成生薬

夏場に適した生薬構成となっています。

温める生薬の種類が多いように見えますが、熱を冷ます力の強い黄柏(オウバク)が含まれており、夏場の過度な体温上昇を抑えるように配慮されています。

また、人参・麦門冬・五味子(表中※の生薬)の組み合わせは生脈散(しょうみゃくさん)という漢方薬です。

生脈散は、たくさん汗をかいて少なくなった津液(体の水分)を補って元気をつける働きがあり夏バテにも使える漢方薬です。

構成生薬が少ない方が効き目が鋭いため、過度な発汗後や病後など一時的な不調を回復したい場合には、即効性が期待できる生脈散の方が良いかもしれません。

普段から胃腸が弱く、夏になると下痢しやすかったり食欲が落ちやすかったりする方は、胃腸の働きを整える働きもある清暑益気湯が良いでしょう。

効能・効果

効能効果からも夏バテ用であることがわかります。

清暑益気湯エキス細粒G「コタロー」の効能効果

体力虚弱で、疲れやすく、食欲不振、ときに口渇などがあるものの次の諸症:暑気あたり、暑さによる食欲不振・下痢、夏痩せ、全身倦怠、慢性疾患による体力低下・食欲不振

飲み方(用法用量)

生後3ヵ月未満の乳児を除き、子供から大人まで服用可能です。

清暑益気湯エキス細粒G「コタロー」の用法用量
年齢1回量1日服用回数
大人(15歳以上)1包または2.5g3回
15歳未満7歳以上2/3包または1.7g
4歳未満2歳以上1/3包または0.8g
2歳未満1/4包または0.6g

味はそれほどおいしくないかも

味は、酸味の五味子と苦味の黄柏が入っているため、慣れるまで少し飲みづらく感じる方がいらっしゃるかもしれません。

注意点・副作用

清暑益気湯は甘草を含むため、偽アルドステロン症などに注意が必要です。

清暑益気湯エキス細粒G「コタロー」の使用上の注意

■相談すること
1.次の人は服用前に医師,薬剤師または登録販売者に相談してください
 (1)医師の治療を受けている人。
 (2)妊婦または妊娠していると思われる人。
 (3)高齢者。
 (4)今までに薬などにより発疹・発赤,かゆみ等を起こしたことがある人。
 (5)次の症状のある人。
  むくみ
 (6)次の診断を受けた人。
  高血圧,心臓病,腎臓病
2.服用後,次の症状があらわれた場合は副作用の可能性がありますので,直ちに服用を中止し,この文書を持って医師,薬剤師または登録販売者に相談してください

[関係部位:症状]
皮膚:発疹・発赤,かゆみ

 まれに次の重篤な症状が起こることがあります。その場合は直ちに医師の診療を受けてください。

[症状の名称:症状]
偽アルドステロン症:手足のだるさ,しびれ,つっぱり感やこわばりに加えて,脱力感,筋肉痛があらわれ,徐々に強くなる。
ミオパチー:手足のだるさ,しびれ,つっぱり感やこわばりに加えて,脱力感,筋肉痛があらわれ,徐々に強くなる。

3.1ヵ月位(暑気あたり,暑さによる下痢に服用する場合には5~6回)服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し,この文書を持って医師,薬剤師または登録販売者に相談してください
4.長期連用する場合には,医師,薬剤師または登録販売者に相談してください

どこに売っている?

清暑益気湯の入手方法は意外に少なく、市販の粉薬はネット購入はできません。

入手方法メーカー
市販(粉薬)小太郎漢方製薬と取引契約している漢方薬局や薬店で購入(ネット購入不可)小太郎漢方製薬
市販(煎じ薬)薬局製剤を扱う漢方薬局
(ネット購入可能)
医療用(粉薬)病院で処方ツムラ

市販の粉薬(エキス製剤)は小太郎漢方製薬からのみ販売されています。

小太郎漢方製薬と契約している漢方薬局などから購入する必要があります。

小太郎漢方製薬のほとんどの市販漢方薬は、メーカーとの取り決めでネット販売は禁じられているため、アマゾンや楽天などでは購入できません。

煎じ薬は、薬局製剤製造の許可を取っている薬局のみが販売しており、一部の薬局ではインターネット販売もしています。

なお、医療用(病院で処方される)清暑益気湯は、ツムラのみ販売されています。クラシエなどからは販売されていません。

よくある質問

清暑益気湯について良くある質問をまとめました。

補中益気湯との違いは?

補中益気湯は、気を上に持ち上げる働きことから内臓下垂などにも使用されるのに対し、清暑益気湯は熱を冷まして汗で失った津液(水分)を補う働きがあります。

どちらも胃腸の働きを高めて気を増やすことは、共通しているので、普段は補中益気湯を飲み、夏場だけ清暑益気湯に切り替えるなど使い分けると良いでしょう。

藿香正気散(かっこうしょうきさん)との違いは?

藿香正気散は、余計な水分をさばく働きが強いため、夏場に冷たいものを食べ過ぎたり急性胃腸炎などによる下痢がある場合に向いています。

日頃から胃腸が弱く夏場にだらだら汗をかいて疲れやすい方は、清暑益気湯の方が良いでしょう。

夏以外に飲むことはできますか?

冬でも高温になる職場(調理場など)で作業をしている方などで、夏バテのような症状が出やすい方は飲むことは可能です。

一般的には、夏以外は補中益気湯を使うことが多いです。

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