竜胆瀉肝湯エキス細粒G「コタロー」(一貫堂処方)のご紹介

竜胆瀉肝湯エキス細粒G「コタロー」(一貫堂処方)のご紹介をいたします。

目次

竜胆瀉肝湯とは

日本国内で使われている竜胆瀉肝湯には次の2種類があります。

①9種類の生薬から成る竜胆瀉肝湯

ツムラやクラシエなどから出されている一般的に使われている内容です。

生薬の構成数が少ない方が効き目が鋭いのですが、長期服用により胃腸障害などの弊害が起こることがあります。

急性期から亜急性期に使うことが多いです。

②16種類の生薬から成る竜胆瀉肝湯(一貫堂)

日本の漢方流派の一つである「一貫堂」によって作られた竜胆瀉肝湯です。

小太郎漢方製薬から販売されています。

①をベースに生薬を加えられており、一つ一つに使われている量も少ないため、長期服用による弊害が起こりにくい内容となっています。急性期から慢性期まで使うことが可能です。

組成特徴
竜胆瀉肝湯
(薜氏医案十六種)
当帰、地黄、黄芩、木通、沢瀉、車前子、竜胆、山梔子、甘草急性~亜急性の症状に短期使用
竜胆瀉肝湯
(一貫堂)
当帰、地黄、黄芩、木通、沢瀉、車前子、竜胆、山梔子、甘草、芍薬川芎黄連黄柏連翹浜防風薄荷急性~慢性期まで長期使用可

※()は原典名

効能・効果

竜胆瀉肝湯は「清熱剤」に分類される漢方薬です。

余計な熱と水を取り除く働きがあります。

熱を取る

竜胆瀉肝湯は、とくに五臓六腑の1つ「肝」に熱がこもった「肝火」に良いとされます。

肝火の人は、イライラなど自律神経症状や、目の充血、頭痛、舌が黄色いなどの症状が現れやすくなります。

湿を取る

余計な水を排泄する作用もあります。

水は重く、体の下に行きやすいため、泌尿器系の熱(炎症)症状にも良く用いられます。

よく使われてきた疾患

以上から、下腹部や陰部の辺りに起こる炎症に良く使われてきました。

たとえば、尿道炎、膀胱炎、バルトリン腺炎、おりもの、膣炎、陰部の痒み・痛み、カンジダなどが挙げられます。

小太郎漢方製薬の竜胆瀉肝湯エキス細粒G「コタロー」は次の通りとなっています。

竜胆瀉肝湯エキス細粒G「コタロー」の効能・効果

比較的体力があり、下腹部筋肉が緊張する傾向があるものの次の諸症:
排尿痛、残尿感、尿の濁り、こしけ

ただし、下半身だけでなく、急性結膜炎、中・外耳炎、鼻炎など上半身の炎症症状にも使われることも良くあります。

また、湿熱を抑える働きがあることから、ワキガのような湿熱が原因の体臭にも用いられることもあります。

なお女性、男性問わず使用可能です。

飲み方(用法・用量)

竜胆瀉肝湯は、やや苦みを感じられる方が多い印象です。

これは、苦味が熱を抑える生薬に共通する特徴だからです。

竜胆瀉肝湯には、熱を抑える生薬(竜胆・山梔子・黄連・黄柏・連翹など)が含まれているため苦味を感じます。

注意点

副作用や飲み合わせなど次のような注意点があります。

副作用

下痢など

竜胆瀉肝湯は、熱を抑える生薬が多いため、連用により胃腸を冷やす可能性があります。

胃腸が弱い方は下痢などを起こす可能性があります。

とくに一般的に使われている竜胆瀉肝湯(一貫堂ではないもの)は、冷やす働きが強いため長期連用に注意が必要です。

偽アルドステロン症

甘草(かんぞう)という生薬を含む漢方薬により、まれに偽アルドステロンという副作用を起こすことが報告されています。

竜胆瀉肝湯も甘草を含むため念のため注意が必要です。

万一、しびれや脱力感などがあればいったん中止し、処方してもらった医師や薬剤師に相談しましょう。

飲み合わせ・禁忌

甘草を含む他の漢方薬と併用することで甘草の摂取量が増加し、偽アルドステロン症の副作用が出やすくなる可能性があります。

妊娠・授乳中の服用

母胎への悪影響は報告はされていませんが、通常は控えておく方が安心です。

かかりつけの漢方専門家がいる場合は、その指示に従いましょう。

他の漢方との使い分け

竜胆瀉肝湯と時々比較される漢方薬が「猪苓湯」と「五淋散」です。

猪苓湯と竜胆瀉肝湯との使い分け

猪苓湯

猪苓湯は、利尿・清熱・止血作用を持つ生薬から成っています。

排尿困難、排尿痛、残尿感、頻尿、口渇、発熱などを目標に、血尿・膀胱炎・尿路結石など、泌尿器系に良く用いられます。

竜胆瀉肝湯

さらに痛みや腫れを伴なう炎症に使います。

猪苓湯が泌尿器系に用いられることが多いのに対し、竜胆瀉肝湯は生殖器系にも用いられます。

五淋散と竜胆瀉肝湯との使い分け

五淋散

尿の濁りが強い症状に使います。

やや慢性化した泌尿器系の症状で、抵抗力が弱っている方にも使われます。

竜胆瀉肝湯

五淋散よりも症状が強い方や、生殖器系の症状が出ている場合は、竜胆瀉肝湯の方が適しています。

明確な違いとしては、猪苓湯と五淋散は、泌尿器系に使われるのに対し、竜胆瀉肝湯は泌尿器系だけでなく生殖器系の症状にも用いられます。

竜胆瀉肝湯エキス細粒G「コタロー」(一貫堂処方)

おすすめの市販薬は、小太郎漢方製薬の竜胆瀉肝湯です。

これまで説明してきた通り、長期服用による弊害が少ないとされているため、一般の竜胆瀉肝湯よりも安心して服用することが可能です。

ドラッグストアでは販売されていませんので、一度ご連絡ください。

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