【常備薬におすすめ】藿香正気散:おなかのカゼ(急性胃腸炎)、夏場の下痢に

藿香正気散(かっこうしょうきさん)は私のお気に入りの漢方薬の一つです。

胃腸炎かなと思ったらさっと藿香正気散を飲むとよく効くことが多いです。

また、湿気の高い暑い時期の胃腸薬としても有能です。

(当店では1日分から販売しております↓)

目次

「湿邪」を取り除く漢方薬

藿香正気散(かっこうしょうきさん)は、「湿邪」を取り除き脾胃(胃腸機能)の働きを高めてくれる漢方薬です。湿邪とは余計な悪さをする水のことを言います。

日本は湿気が高いため湿邪に侵されやすい環境にあります。湿邪が多いと胃腸の働きが弱まる、体が重くてしんどいなどの症状が出ます。

漢方で脾胃は水分代謝を促進する働きがありますが、もともと脾胃の調子が良くない人は体内に湿がたまりやすく、このような人が普通のカゼにかかり、下痢などの胃腸炎が発症することもあります。

健康な人でも夏に冷たいものを食べすぎたり飲みすぎたり、夏に限らず湿気の多い時期に冷えたりしてもお腹の調子が崩れることがあります。

こういうときに藿香正気散(かっこうしょうきさん)を使うと症状がとても楽になり、数日以内で改善することが多いです。

このような時に
  • 突然の下痢を伴う腹痛に
    (とくに冷たいものの食べすぎ、飲みすぎによる腹痛・下痢)
  • 夏場の重だるいカゼに
  • 湿度、気温の高い時期の胃腸機能の低下に

藿香正気散の構成生薬と働き

藿香(かっこう)は生薬の名前で、この方剤のメインの生薬です。

独特の香りもち体内の余計な水分を取り除いて湿邪を追い払います。

他に蘇葉・白芷が風寒の邪を追い払い、半夏・厚朴が吐き気を押さえ、白朮・茯苓・陳皮・大腹皮・桔梗・生姜・大棗、甘草がお腹の働きを整えます。

効能・効果

添付文書には次の通り書かれています。

夏の感冒,暑さによる食欲不振・下痢・全身倦怠

用法・用量

年齢1回量1日服用回数
大人(15歳以上)1包または3.0g3回
15歳未満7歳以上2/3包または2.0g
7歳未満4歳以上1/2包または1.5g
4歳未満2歳以上1/3包または1.0g
2歳未満(3か月以上)1/4包または0.75g
添付文書より

注意事項

  • 3か月未満の乳児は服用できないことになっています
  • また急性症状に対しては即効性があるため、5日位しても改善が見られない場合は受診をおすすめします
  • 甘草を含むため連用によりむくみや脱力感、筋肉痛などを伴う偽アルドステロン症がまれに起こる可能性があります。このような症状が出たら中止し受診してください。

常備薬としておすすめ

上にも書いた通り日本は海に囲まれており湿気が基本的に高いので、湿を取り除くこの漢方が活躍する機会は多いです。

お腹のかぜ(急性胃腸炎)の常備薬として数日分だけでもお持ちいただくと便利です。

藿香正気散は、医療用漢方エキス剤にはないため病院では処方することができません。市販薬のみで販売されています。

なお当薬局で扱っている藿香正気散エキス細粒G「コタロー」は、他の製品と比較して高い成分量を含有しているのが特徴です(満量処方に対する生薬使用量:クラシエ50%、コタロー80%)。

対面販売専用の商品ですが遠方等でいらっしゃることができない場合は一度ご相談ください。

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