秋ウコン・春ウコン・紫ウコンの違いとは?ややこしいウコンの仲間達

ウコンは、市販のドリンクやサプリ、カレーのスパイスとして使われており、目にする機会が多い名前です。

ちなみに商品説明に「春ウコン」「秋ウコン」などと書かれていることを見かけたことはありますでしょうか?

ウコンと一言で言っても、その仲間は色々ありかなりややこしいです。

この記事では、ウコンの種類や違いについてご紹介します。

目次

なぜややこしい?

ウコンはなぜややこしいのか、改めて整理してみると以下のようなことが考えられました。

植物名と生薬名を混同しているから

ウコンはよく、「植物名」と「生薬名」が混同して書かれていることがあり、混乱する要因となっています。

植物名とは、植物全自体の名前を言い、生薬名は主にその植物の一部を加工して薬として用いられるものです。

たとえば、「ウコン」と聞くと、生姜のような根茎を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

生薬のウコン

一方で、元となる植物そのものの名前も「ウコン」と言います。

植物のウコン

植物の「ウコン」か生薬の「ウコン」、どちらの話をしているのか意識しておくと混乱せずにすみます

狭義のウコンと広義のウコンがあるから

後でも説明しますが、ウコン(Curcuma Longa L.)は本来特定の植物を指す固有名詞です。

ですが一般的に、ウコンの仲間(ウコン属)のことを指して使われることが多いです。

次のように狭義のウコンと広義のウコンに分けて意識しておいた方が良いでしょう。

狭義のウコン
秋ウコン(Curcuma longa L.)または、その根茎(日本薬局方掲載の生薬「ウコン」)

広義のウコン
秋ウコン、春ウコン、紫ウコンなどウコン属(Curcuma 属)の植物またはこれらの根茎

日本と中国で呼び方が違う

ウコンは中医学を勉強する日本人泣かせです。

日本と中国で呼び方が、違っていたり入れ替わったりしているものがあるからです。

たとえば、生薬の日本のウコン(秋ウコンの根茎)は中国ではキョウオウとして呼ばれています。

そして中国のウコンは別の部位(日本では根茎だが塊茎)を指すのです。

これ以上書くと混乱しそうなので、また別の機会に解説したいと思います。

次からは、主な3種類のウコンの仲間についてご紹介していきます。

秋ウコン

ウコンの花

秋ウコンはウコンの別名

秋ウコンは、ウコン(鬱金、Curcuma longa L.)という植物の別名です。

秋にかけ白色の花を咲かせるため、秋ウコンと呼ばれています。

英語では、ターメリック(Turmeric)と呼びます。

生薬のウコンは秋ウコンの根茎

生薬としての「ウコン」は、秋ウコンの根茎を用いたものです。

ウコンには、黄色成分のクルクミンが主成分のため、根茎の断面は鮮やかな黄色(オレンジ色に近い)です。

ウコンは、民間薬として苦味健胃薬として用いられた理、漢方では中黄膏(ちゅうおうこう)という外用薬に医薬品として配合されます。

その他、カレーなどの風味付けや色付けとし使われるほか、クルクミンの利胆作用や肝保護作用を利用して、健康食品に配合されることが多いです。

スーパーやコンビニなどで売られている「ウコンの力」も秋ウコンが使われています。

春ウコン

春ウコンはキョウオウの別名

春ウコンは、キョウオウ(姜黄、Curcma aromatica)という植物の別名です。

春にピンク色の花が咲くことから、春ウコンという名前が付けられています。

英語では、ワイルドターメリック(Wild turmeric)と呼ばれます。

根茎は生薬として認められていない

健康食品などで「春ウコン(C. aromatica)の根茎=ウコン」として扱われていることがありますが、これは正式な生薬名ではなく俗称にすぎません。

国内で、生薬として規定されているウコン属は、日本薬局方に掲載される「ウコン」と「ガジュツ」の2種類だけです。

春ウコンの根茎はクルクミンを少し含むため断面は黄色です。

紫ウコン

紫ウコンはガジュツの別名

紫ウコンは、ガジュツ(莪朮、Curcuma zedoaria)という植物の別名です。

クルクミンは含まないため根茎の断面は黄色ではなく紫(青白い)がかっており、「紫ウコン」と呼ばれています。

また、夏に花が咲くため「夏ウコン」と呼ばれることもあります。

生薬のガジュツは、ガジュツ以外の根茎からも採れる

生薬の「ガジュツ」は、日本薬局方で下記3種類のウコン属の根茎であると規定されています。

  1. ガジュツ(Curcuma zedoaria,紫ウコン)
  2. Curcuma phaeocaulis
  3. Curcuma kwangsiensis

つまり、ガジュツという植物だけからでなく、別のウコン属(Curcuma)の植物の根茎も生薬の「ガジュツ」と言います。ここもややこしいところです。

漢方では、ガジュツは気血を巡らせるため、サンリョウという生薬とともに婦人科系疾患などに用いられることが多いです。

なお②Curcuma phaeocaulisを、春ウコンとして販売しているメーカーもあります。

そのメーカーによると、phaeocaulisとaromatica(=春ウコン)は、もともと同一植物の可能性があるかもしれないとのことです。

まとめ:秋ウコン・春ウコン・紫ウコンの違い

植物としての違い

それぞれウコン属の仲間ですが厳密には異なる植物として分類されています。

スクロールできます
秋ウコン春ウコン紫ウコン
(夏ウコン)
植物名(和名)ウコン(鬱金)キョウオウ(姜黄)ガジュツ(莪朮)
学名Curcuma longaCurcuma aromaticaCurcuma zedoaria
特徴秋に白い花。
春にピンク色の花。夏に赤紫色の花。
根茎の断面は紫色。
日本薬局方での生薬名
(根茎部分)
ウコン(鬱金)収載なし
(俗にキョウオウと呼ばれる)
ガジュツ(莪朮)
※他の基原植物もあり

※Curcuma phaeocaulisが使われる場合あり

生薬としての違い

日本で認められている生薬は、ウコンとガジュツの2種類だけです。

スクロールできます
生薬名ウコンキョウオウガジュツ
基原植物秋ウコン
(ウコン)
春ウコン
(キョウオウ)
①紫ウコン(ガジュツ,Curcuma zedoaria)
②Curcuma phaeocaulis Valeton
③Curcuma kwangsiensis S. G. Lee et C. F. Liang (Zingiberaceae)
使用部位根茎根茎根茎
特徴やや苦い。
主要成分はクルクミン。
断面はあざやかな黄色。
やや苦みと辛み。
クルクミンをわずかに含む。
断面は黄色。
辛く非常に苦い。かむと清涼感あり(シネオールによる)。
クルクミンはほとんど含まない。
断面は紫色。
主要成分はクルゼレノン。
効能利胆、健胃、消炎、止血、通経、肝保護健胃
用途・漢方薬(中黄膏)
・健康食品(ウコンの力など)
・健康食品・漢方薬
・健康食品

※日本薬局方には収載なし

目次