群発頭痛に漢方薬の「清上蠲痛湯(せいじょうけんつうとう)」

「目の奥からくる耐えきれない頭痛」
「一定期間、毎日のように頭痛が起こる」
「夜中に頭痛が起こりやすい」

このような症状でお困りの方は、群発頭痛かもしれません。

今回は、頭痛・顔面痛に使われる漢方薬「清上蠲痛湯」について解説いたします。

目次

群発頭痛とは

群発頭痛(ぐんぱつずつう)とは、一定の期間に何度も繰り返し起こる頭痛です。
(群発=短期間で何度も起こること)

特徴的な症状

群発頭痛には特徴があります。

比較的男性に多く、特に就寝後に起こりやすいです。

痛みは片方の目の奥に鋭い痛みが生じ、目の充血、鼻づまりや鼻水、そして落ち着かず歩き回るといった症状が現れることが多いです。

一度発症すると、毎日のように頭痛が続き、その状態が数週間から数ヶ月続きます(これを群発期と呼びます)。市販の痛み止めは効果がありません。

頭痛が出にくい期間は緩解期と呼ばれますが、緩解期がない慢性群発頭痛の方もいます。

また、アルコールの摂取が頭痛の引き金になることもあります。

群発頭痛の特徴
  • 数ヶ月~数年間隔で群発期と緩解期を繰り返す
  • 群発期は数週間~数ヶ月の間、頭痛が毎日のように起こる
  • 男性に多い
  • 夜間、睡眠中に起こりやすい
  • 目の奥の辺りに激しい痛み
  • 片側だけに現れる
  • 頭痛時に、鼻水・鼻づまり、目の充血やまぶたが下がることがある
  • 頭痛時は落ち着かず歩き回る
  • アルコールが引き金になりやすい

診断基準

群発頭痛の診断基準は下記の通りです。

群発頭痛の診断基準

A. B~D を満たす発作が5 回以上ある
B.(未治療の場合に)重度~きわめて重度の一側の痛みが眼窩部、眼窩上部または側頭部のいずれか
   1つ以上の部位に、15~180 分間持続する
C. 以下の1項目以上を認める
   ①頭痛と同側に少なくとも以下の症状あるいは徴候の1項目を伴う
    a) 結膜充血または流涙(あるいはその両方)
    b) 鼻閉または鼻漏(あるいはその両方)
    c) 眼瞼浮腫
    d) 前頭部および顔面の発汗
    e) 縮瞳または眼瞼下垂(あるいはその両方)
    ②落ち着きのない、あるいは興奮した様子
D. 発作の頻度は1回/2日~8回/日である
E. ほかに最適なICHD-3の診断がない

日本頭痛学会 群発頭痛(cluster headache)より

三叉神経・自律神経性頭痛に分類される

頭痛は大きく2つに分類されます。

  • 他に原因が見当たらない「一次頭痛」
  • 打撲や疾患など他に原因がある「二次頭痛」

一次頭痛はさらに、

  • 片頭痛
  • 緊張型頭痛
  • 三叉神経・自律神経性頭痛(TACs)
  • その他の一次性頭痛疾患

に分けられ、群発頭痛は、三叉神経・自律神経性頭痛(TACS)に分類されています。

清上蠲痛湯の特徴

清上蠲痛湯の名前の意味

清上蠲痛湯には、頭痛や顔面の痛みを取り除く意味が含まれています。

清上(せいじょう):上部(上半身、顔面・頭部)を清らかにする

蠲痛(けんつう):痛みを取り除く(蠲:けん=取り除く・払う)

頭痛の特効薬として作られた薬

清上蠲痛湯(せいじょうけんつうとう)は、もともと頭痛治療のために作られた漢方薬です。

中国で明の時代に書かれた「寿世保元」が原典で、そこには

「一論一切頭痛主方、不問左右偏正、新久皆效」

と紹介されています。

これは、頭痛が左右どちらに偏っているか、または新しい頭痛か古い頭痛かを問わず、すべての頭痛に効くことを意味しています。

とくに目と関係がある頭痛に効く

すべての頭痛に効くとされていますが、清上蠲痛湯は目の奥が痛むなど、群発頭痛のような目に関係のある頭痛にとくに良く効くとされています。

これは蔓荊子や菊花など、目のトラブルにも使われる生薬が含まれているためです。

顔面痛などにも使われる

清上蠲痛湯は、群発頭痛のほか、帯状疱疹後神経痛のように三叉神経に沿った顔面痛や歯痛、頭部神経痛などにも使われることがあります。

清上蠲痛湯の基本情報

効能・効果

効能・効果

体力に関わらず使用でき、慢性化した痛みのあるものの次の諸症:頭痛、顔面痛

用法・用量

年齢1回量1日服用回数
大人(15歳以上)1包(2.2g)3回
15歳未満7歳以上2/3包(または1.5g)
7歳未満4歳以上1/2包(または1.1g)
4歳未満2歳以上1/3包(または0.7g)
2歳未満1/4包(または0.6g)

成分・分量

1日3包(6.6g)中
バクモンドウ・キョウカツ・ドクカツ・ボウフウ・ソウジュツ・トウキ・センキュウ・ビャクシ各2g,オウゴン2.4g,マンケイシ・キクカ各1.2g,サイシン・カンゾウ・ショウキョウ各0.8g
より抽出した水製エキス5.4gを含有しています

合う人

漢方薬は証(体質や病状)によって使い分けが必要ですが、清上蠲痛湯は証にこだわらずに使うことが可能です。

(とくに目に周辺の痛みと関連する)頭痛や顔面痛であれば、どなたでも使ってみる価値はあります。

飲めない人

清上蠲痛湯エキス細粒G「コタロー」の説明書きには、生後3ヶ月未満の乳児の乳児は避けると書かれています。

清上蠲痛湯に限らず他のコタローの商品も同様です。

これは飲み込む能力がまだ十分でないためのどに詰まらせてしまう恐れがあるからと思われます。

副作用

清上蠲痛湯で特別注意するような副作用はありませんが、生薬構成からまれに次のような症状が考えられます。

  • 胃もたれ(トウキなど)
  • むくみ、しびれ(カンゾウ)

また説明書きには、発疹やかゆみといった皮膚症状が書かれています。

もし、いつもと違う感じがあれば購入元に問合せしましょう。

1日分から販売しております

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