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医薬品の口コミ(レビュー)が禁止されている理由
医薬品のインターネット販売ページには、医薬品の購入者による口コミ欄(レビュー)がありません。
この理由について説明したいと思います。
(2024年5月時点の情報です。今後の法令改正により内容が変わる可能性があります)
健康被害が起こらないようにするため
医薬品の販売ページにおいて、口コミ・レビューが禁止されている理由は、健康被害が起こらないようにするためです。
体質や症状は個人によって違います。
体質も症状も異なる他人の口コミをそのまま信じて正しい情報が伝わらずに使うと、副作用など健康被害が起こる可能性があります。
そのため医薬品の口コミ・レビューは禁止されています。
根拠となる法令は「薬機法施行規則」
口コミ・レビューを禁止している法令は、厚生労働省によって定められた
「薬機法施行規則」
(正式名:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則)
です。
薬機法施行規則には、医薬品の広告をするときは、「医薬品を使用した者による当該医薬品に関する意見」(=口コミやレビュー)は、表示してはならないと書かれています。
(薬局における医薬品の広告)
第十五条の五 薬局開設者は、その薬局において販売し、又は授与しようとする医薬品について広告をするときは、当該医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者又はこれらの者によつて購入され、若しくは譲り受けられた医薬品を使用した者による当該医薬品に関する意見その他医薬品の使用が不適正なものとなるおそれのある事項を表示してはならない。
出所:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則
上記は薬局について書かれていますが、店舗販売業(例:ドラッグストア)、配置販売業(例:富山の置き薬)についても、同様に口コミ表示が同規則内で禁止されています。
「効能・効果」についての口コミが禁止
医薬品に関係するすべての口コミが禁止されているわけではなく、効能・効果の口コミが禁止されています。
以下は、薬機法施行規則を補足する文書です。
この通知では「効能・効果等に関する」とあります。
(7)薬局における医薬品の広告(新施行規則第 15 条の5関係)
① 薬局開設者は、その薬局において販売・授与しようとする医薬品について広告をするときは、当該医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者又はこれらの者によって購入され、若しくは譲り受けられた医薬品を使用した者による当該医薬品に関する意見その他医薬品の使用が不適正なものとなるおそれのある表示をしてはならないこと。例えば、その薬局において販売・授与しようとする医薬品についての広告(ちらし、ホームページ等)において、当該医薬品の効能・効果等に関する、当該医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者又はこれらの者によって購入され、若しくは譲り受けられた医薬品を使用した者による意見(いわゆる「口コミ」等)を表示することは認められないこと。
出所:「薬事法及び薬剤師法の一部を改正する法律等の施行等について」(平成26年3月10日薬食発0310第1号厚生労働省医薬食品局長通知)
さらにQ&Aでは「効能・効果に関する「口コミ」を禁止」と書かれています。
【薬局等における医薬品の広告】
(問 13)薬局等の接客態度に関する「口コミ」を、ちらしやホームページに掲載してもよいか。(答) 医薬品は個々人のそのときの症状に合わせて使用されるべきものであり、体
出所:「医薬品の販売業等に関するQ&Aについて」(平成26年3月31日事務連絡)
質や症状の異なる他人からの効能・効果に関する「口コミ」に基づいて使用すると、不適正な使用を招くおそれがあることから、医薬品の効能・効果に関する「口コミ」を禁止するものである。
このため、単に薬局等の接客態度に関するものであれば、「口コミ」をちらしやホームページに掲載することは差し支えない。
ただし、接客態度に関する「口コミ」等と称していても、その内容が医薬品の効能・効果に関する「口コミ」に該当するものは認められない。
また、「口コミ」の掲載に当たっては、適正広告基準等に十分留意することが必要である。
これによると、効能・効果以外に関する口コミはOKということになります。
しかし、知らずに書いてしまう人もたくさん出てくる可能性があり、管理が難しいため、ネット販売では医薬品についての口コミは全てできないようにしているようです。
口コミサイトは対象外?
純粋に口コミだけを集めたサイトは禁止の対象外です。(例:アットコスメなど)
薬機法施行規則は、あくまで「医薬品の広告において」が対象だからです。
医薬品購入は自己判断ではなく専門家に相談
医薬品の広告で口コミ・レビューが禁止されている理由は、健康被害を防ぐためです。
たとえ口コミサイトで効いたと書かれてあっても、その人の体質や症状は異なる可能性があり、自分に効くとは限りません。
適切な薬を飲むために、自己判断ではなく医師・薬剤師・登録販売者といった専門家に相談しましょう。