しもやけ・手足の冷えに使う漢方

毎年寒い時期になるとしもやけになってしまう方がいらっしゃいます。

ここではしもやけによく使われる漢方についてご紹介します。

目次

しもやけは瘀血

しもやけは、凍瘡(とうそう)とも言い、気温が低い時(5℃前後)に手や足、耳など体の末端静脈の血行が悪くなり、血液成分が組織に漏れ出て赤く腫れてかゆみを生じたり、血豆のような症状が出たりします。

漢方の視点では、寒邪によって血液が滞り瘀血が発生することが原因と考えます。

しもやけになりやすい体質

しもやけになりやすい人は普段から冷えやすく瘀血ができやすい人です。瘀血とは血の巡りが悪くなっている状態を表します。

冷えは瘀血を生じ、瘀血は冷えを生じるという悪循環になっているため、どちらも同時に治す必要があります。

しもやけに使う代表的な漢方薬

よって、しもやけになりにくい体質にするには、温めながら血の巡りを良くする漢方が適しています。

温めながら血流を良くする漢方薬に、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)があります。

かなり長い名前ですね。「加」=「+(足す)」を表すので、当帰四逆湯+呉茱萸・生姜という意味です。

当帰四逆湯は、血が普段から不足気味で寒さにあたると血流が悪化し、手足末端の冷えやしびれ、下腹部痛、足の内側や股間の冷えなどが起こる人に使います。

この当帰四逆湯に呉茱萸と生姜を加えたものが、当帰四逆加呉茱萸生姜湯です。

呉茱萸、生姜ともに温める働きがあります。また呉茱萸は頭痛や吐き気を抑える働きがあり片頭痛にも用いられ、苦い生薬として有名です。

つまり当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、手足の冷えが強く、時に頭痛や吐き気などを伴い、血が不足気味の人に良く適しています。

ちなみに「四逆」とは四肢が冷えている状態を表します。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯が適する人
  • 手足が冷えやすい、しもやけができやすい
  • 頭痛持ち(無くても可)
  • 生理痛(無くても可)
  • 貧血傾向(無くても可)

冬前から予防的に飲むだけでも効果的

しもやけが毎年できる方は当帰四逆加呉茱萸生姜湯を11月ころから飲んでおくだけでも、しもやけ予防に効果的です。

瘀血が強い人は、桂枝茯苓丸や芎帰調血飲第一加減などの駆瘀血剤と呼ばれる漢方薬を普段から飲んでおくとさらに効果的です。

おすすめの当帰四逆加呉茱萸生姜湯

こちらは病院で処方される漢方薬と同じ内容で作られた満量処方の漢方薬です↓

目次