〔事例24〕無月経 女子アスリート 大学生

20歳女性 大学生

8月初来局

小学校からずっとスポーツをしている。休みは週に1日。高校生の頃は練習が多く睡眠時間が少なかった初経16歳それ以降は自然に生理が来ない。そのためピルや西洋薬で生理を起こしていた。生理が来ても1~4日位で終わる。
疲労骨折多いあざできやすい軟便傾向足がむくみやすいカゼをひきやすい。疲れやすい。汗かきにくい。肌が乾燥しやすい。

舌証:胖大、歯痕あり、薄白苔

この方は初経が遅く、無月経が続いていることから腎精の不足が考えられます。

背景には、脾虚と激しい運動、睡眠不足が関係しています。

腎精は、飲食物から常に供給されますが(後天の精)、脾虚があると飲食物の吸収ができず腎精を生み出すことができません。

また、過度の運動と睡眠不足は気血を消耗し、とくに血が消耗すると腎精から血を補おうとするため(精血同源)、腎精をなかなか蓄えることができない状態です。

もちろん月経に使える血も足りない状態です。そのため無月経となっています。

治法は補腎・養血・健脾とし、四物湯・六君子湯など7日分お渡ししました。

その場で味見もしてもらい、少し苦いが問題なく飲めるとのこと。

スポーツをしている方ですがご本人よりドーピングについては気にしなくて良いといのことで漢方薬を開始。

3日後連絡あり
「今朝生理が来た。驚いている。」

4日後来局
「出血は3日程度で終わったが大丈夫か?」
しばらく養血が必要であること、そのために服薬を継続し、できれば8時間以上睡眠をとるよう説明。

1か月後

「便は普通の固さになってきた。生理はまだ来ない。」

「痛みがあるのでレントゲンを撮ったら疲労骨折していた。」

腎精が不足すると骨髄をうまく作れず骨がもろくなりやすいため、疲労骨折をしたと考えられます。

そのまま継続していただくことをお勧めしましたが、残念ながら経済的な理由により服薬を中止することとなりました。

激しい運動される女性は気血を消耗しやすく、月経に回す血が不足気味になり無月経になる方は少なくないようです。

なお漢方薬によってドーピング対象となるものがあるため、スポーツをされている方は漢方服用前に申し出てください。


  • 体質や症状の程度により、使用する漢方薬や症状改善までの時間には個人差がございます
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