〔事例22〕10年間続く舌痛症

60代女性 遠方のため電話対応。

初回利用日:8月24日

10年位前(閉経後あたり)から舌が痛くなりだし、今は常に痛みがあり生活するのがとても辛い。

かかりつけ病院では抗不安剤をもらっており、不眠もあり睡眠薬ももらっている。
大学病院にも定期的に通うが検査だけで治療は無し。
他にも漢方薬局で色々漢方薬を試したが、一時的に良くなるものの治らず、そこの薬局では難しい体質と言われた。地黄を含む漢方薬は腸の調子が悪くなるので入れないでほしい。

頻尿で日中トイレに10回位行く、疲れやすい、便秘症、口内炎になりやすい、口が乾く、夜もトイレが近く熟睡できない、胃腸の調子もあまり良くない、陰部が乾燥する、冷え症、むくみ無し

やや攻撃的な話し方をされます。舌痛のためかあまり滑舌が良くありません。

お話を聴いていると、心配性でありイライラしやすい印象で、肝鬱気滞から肝火となり心が乱されやすい傾向があるようです。閉経後から症状が出たのは腎虚が進み、腎虚になると腎水が心火を抑えることができないため心火が強くなった(心火熾盛)と考えられます。心火が強いため不眠や舌痛が出ていると考えられます。

以上の所見から、心火と腎虚に使う煎じ薬(地黄を含まないもの)をお渡ししました。

服用開始後まもなく電話がかかってきました
「朝起きたら舌がいつもビリビリと痛くて大変だが、今日はそれがない」

5日後
「以前よりも熟睡できるようになった。トイレの回数も減った。舌の痛みは夕方から寝る前にかけて出るがそれ以外は治まっている。」
おだやかな口調で話されます。滑舌も改善されています。
同じ漢方薬を2週間分継続。

2週間後
「最近夜中にトイレが近くて起きてしまい眠れない。煎じ薬を少し止めてたら頻尿は変わらないが眠りやすくなった。煎じ薬のせいでひどくなった。もう飲みたくないし、薬を見たくもない。」
「相変わらず夕方から寝る前にかけて舌が痛い。眠っている間は気にならない。」

前回と違いかなりイライラしている口調です。

お渡ししている漢方薬は腎虚改善の働きもあるため頻尿にも使われますが、この方はなお腎虚が強く、さらに六味丸や八味丸など追加する必要があると考えられます。

冷えもあることから、八味丸の併用を地黄が胃腸に障らないように少量からお勧めするも、お渡している漢方薬への不信感と被害意識の思い込みが激しく、残念ながら投薬は終了となりました。

なお主訴である舌痛は、服用開始後5日で、1日中あった痛みが夕方から寝る前の時間帯のみに変わり顕著に改善しました。六味丸や八味丸も併用していればさらに改善できたかもしれません。

  • 体質や症状の程度により、使用する漢方薬や症状改善までの時間には個人差がございます
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